【CAを目指す方】厳しい航空業界の現状&それでも採用される方法

航空・CA

航空業界(客室乗務員、グランドスタッフなど)を目指す、目指している方へお届けしたい内容です。
昨年度から厳しい状況の続く世界各国の航空会社ですが、2021年現在フライトが激減し自宅待機中・外資系客室乗務員の私が、業界の現状とこれからの推測、そして厳しい状況ながらも採用を勝ち取る為にできることをお話させて頂きます。

2021年 世界の航空業界の現状

皆様もご存知のとおり、2019年から世界中に影響を与えているパンデミックですが、そのあおりを世界中の航空会社も真正面から受けている状態です。各国で緊急事態宣言や海外、また国内の移動も含め厳しく制限された2020年よりは、少しずつ規制も緩和された国も増えてきた2021年ですが、日本を含めまだまだ多くの国で、昨年と同じような厳しい状態が続いています。

航空業界にとって少し前向きなニュースは、アメリカなどワクチン接種の進む国で国内の移動が活発になっており、それにしたがって国内線の需要も伸びていることです。アメリカの大手の航空会社はレイオフ(一時解雇)にしていた客室乗務員やパイロット、グランドスタッフなどを呼び戻し、もちろん2019年以前のように復活はしていないものの、ハワイなど国内のリゾート路線や大陸横断のビジネス路線など活況なようです。

現在も渡航制限や移動制限が続く国々では、今後ワクチン接種が進み、感染者数が減るのを待って、アメリカの現在のような状況、航空業界の復活の兆しが見えてくるものだと思われます。

ちなみに私が勤めているカナダの航空会社は、2021年に入り何度かスタッフの呼び戻しがありましたが、アメリカとの国境も6月現在封鎖されていることもあり、少数のスタッフの呼び戻しに留まっています。推測では、アメリカの国境がオープンし、カナダ入国後の2週間隔離措置などが解除され次第、アメリカ便などの多くが再開され大量の呼び戻しがあるはずです。

客室乗務員の新規採用は今後どうなる?

日系の大手航空会社も2020年以降は新卒、既卒共に採用情報は出ていません。一部、リージョナルの航空会社(小型機で運行)などでは採用があったところもありますが、もちろん採用数は少なく今まで毎年のように大量のCAやグランドスタッフを新卒採用していた大手エアラインが採用活動を再開しないことには、航空業界を目指す方々にとって厳しい状況は変わりません。

今後、しばらく間(1年〜2年)は現在、自宅待機や出向中の社員を航空需要を見ながら慎重に現場に呼び戻していくと考えられますので、新規での採用はそのあとになる可能性が高いです。

しかしながら、1年以上もの間、海外旅行や渡航自粛が続いており、そういった規制が解除された際には多くの方々が旅行や帰省などで航空機を利用され、リバウンド需要も多く期待できる為、それを見込んで少し早めに優秀な人材を確保しようと採用を始める会社も出てくるかもしれません。

ただ、現在はどこの航空会社も資金面で大変な場合が多く、先行投資にどこまで前向きかは定かではありません。ですが、1つだけ言えるのは、航空会社は1日でも早く待機させている航空機を飛ばしたいのです。したがって、需要が回復次第、待ったなしに路線や便数が復活する可能性が高いです。

飛行機はフライトで使用せず、空港でただ駐機しているだけでも高いコストが発生します(=固定費)。駐機代やメンテナンス費などがそれに含まれます。その為、航空会社は少しでも多くの飛行機を飛ばして利益を上げていく必要があります。

厳しい状況の中で採用を勝ち取る方法

先述してきた通り、現在の航空業界は今までにない厳しい状況であり、また先行きが未だ不透明です。しかし、私がそうであったように、航空業界を目指す人たちの中には、絶対にCAになる!絶対にグランドスタッフになる!と小さい頃から強く思われている方も多いはずです。

もちろん航空会社からの採用が再開されないことには、まずエントリーもできないのは本当に辛いことですが、現在各国でワクチン接種が進み、想定よりも早いペースで航空需要が戻り、回復後の先行投資を始めている地域もあります。

2021年6月、アメリカのユナイテッド航空は2029年度までに超音速旅客機を15機購入すると発表しました。この厳しい状況の中で、復活後を見据えて先行投資をする会社も出てきました。昨年までは多くのエアラインで、保有していた旅客機を売却する動きが強かったのですが、これは本当に明るいニュースです。

このように、エアラインは独自の判断で先行投資を行い、それに合わせて新規採用が発表される可能性もあります。日系のエアラインなどもかつてのような大規模な採用はしばらく行われないとしても、今後、需要が復活次第、このパンデミック禍の中で退職された方や転職された方などももちろんいらっしゃいますので、そのポジションを埋める形の小規模な採用活動は近いうちにあるかもしれません。

採用情報を絶対に逃さない。

今後、採用が出るエアラインは今まで以上に倍率も上がると予想されます。そこで大事になってくるのが、その情報をいかに早くゲットするかです。日系エアラインのように例年であれば、毎年同じ時期に新卒の採用が発表されるという会社では、それに合わせて準備をしエントリーができますが、この厳しい状況の中で採用に慎重になっている現在は、これまでのように決まったスケジュールで採用が出されるとは限りません。自分が知らないうちにエントリー期間が過ぎてしまっていた、、、なんて言うことは絶対に避けなければいけないので、日系のエアラインすべての採用情報をページをブックマークして小まめにチェックしたり、採用情報をまとめて掲載しているエアラインスクールのサイトなどもありますので、希望を捨てずにチェックすることが大切です。

採用発表までに準備を万全にしておく

当たり前ですが、採用がなかなか出ないこの時間を使って、いつ採用が発表されても大丈夫なように準備をしておくことが大切です。面接での受け答えや立ち居振る舞い、エントリーシートの書き方、自己アピールの内容、その他語学に関してであったり、準備しておくことは山ほどあります。

また会社によって求められている人物像も異なるので、それに合わせた回答ができるよう会社ごとに準備をしておくこともおすすめです。実際に採用が出てから準備すると気持ち的にも時間的にもかなり焦ることになります。また今後、航空業界の回復に伴い、多くのエアラインが同時期に一斉に採用を始める可能性もありますので、その時に慌てないためにも今のこの時間を大切に使うことをおすすめします。

志望している会社ではなく、志望する職種で探す

航空業界を目指している方の多くが、このエアラインのこの仕事(CAであったり、グランドスタッフであったり)になりたい!と考えられておられるかと思います。もちろんそれは、夢をかなえる為に大切なことですが、現状、採用が出されるエアラインがごく僅かで、自分が志望する会社の採用がいつ出るかは誰にもわからない状態です。その中で、志望するエアラインだけに固執して、採用が出るのを待つのではなく、なりたい職種で採用を探すことをおすすめします。

例えば、こういった感じです。

A子
A子

私は国際線に乗務したいので、国際線のある会社に入る!

B男
B男

僕は日系の航空会社で働きたい!

A子さんの場合、国際線に乗務すると言うのが目標です。その為、国際線があるエアラインの採用だけを待ち続けています。しかし、今の状況だと国際線の需要回復を待ってからになり、また受けることのできる会社数も国際線がある会社だけとなりますので、もちろん少なくなります。

そしてB男さんの場合も、日系の航空会社を志望しています。こちらも言うまでもなく、エントリーできる会社ははるかに限られます。

A子さんの場合もB男さんの場合も、私がおすすめしたいのは志望する航空会社や路線などにとらわれず、なりたい職種(CA、グランドスタッフ)になれるように行動することです。国際線に乗務したいA子さんは、国内線のみを運航している会社や、離島を結ぶ航空会社などにも視野を広げることをおすすめしますし、B男さんも、日系のみではなく外資系航空会社や、また日本にベースのある外資系航空会社などに目を向けることもおすすめします。

航空業界は意外と狭い

先述した通り、一度なりたい職種で採用されれば、そこではたくさんの経験を得ることができますし、その会社ならではのやりがいや魅力も見つけることができます。そして何より、航空業界は本当に狭い世界です。こう言うと、誤解があるかもしれませんが、CAやグランドスタッフの方の中にはたくさんの航空会社を経験されてきた方が多くいらっしゃいます。外資系から日系に転職された方、日系から外資系に転職された方、国際線中心の大手航空会社から小型機で運航するリージョナルの航空会社に転職された方、もちろんその逆もしかり。本当に業界内での転職が多いのが、航空業界です。そして一度、この業界に入ってしまえば、周りには他の会社を経験してきた同僚が必ずいますので、情報の交換なども可能です。

また多くの航空会社には既卒採用があり、他の会社で経験のある人を採用することも多いです。新卒採用では確保できない、即戦力の人材が確保できるからです。そして外資系の航空会社は新卒採用という考えはあまりなく、即戦力になる人材や面接での対応力が重視される傾向があります。こういった点でも、すでになりたい職種に就いていることが有利に働くのです。

面接を受けた際も、すでに乗務の経験があれば、その経験を通してたくさんの回答ができますし、航空業界で働いている中で、その職種に求めていることが分かるはずなので、面接官を納得させる回答ができるはずです。

まとめ 目指す方に伝えたいこと

いつ採用があるのか、今後の先行きが不透明な状況が続いており、航空業界を目指される方の中には、精神的に大変な思いをされていらっしゃる方もおられるかと存じます。ですが、航空業界は今まさにどん底を見ているような状況で、これ以上は下りようのないところまで来ているというのが実感です。と言うことは、あとは少しずつ回復していくのを見守り、需要が以前のように、またはそれ以上に戻ってくるのを待つしかありません。言い換えれば、これからは良くなっていくしかないのです。

状況が好転しだすと、物事は一気に進むはずです。路線の復活、厳しい状況下で手放した旅客機の再購入や、それに伴う人員の確保。明るい未来はもうそこまで来ているはずです。こういった状況でも少しでも前向きに過ごすことが、今後の面接や実際に採用されてからも使える大切なスキルになりそうです。

採用後に待っている厳しい新人訓練についてはこちらから。

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コメント

  1. より:

    中学の同級生に当時スチュワーデスになりたかった人が居たな。
    でも後に駄目だったと聞いた。

    今の時代の人は何でも情報が得られて羨ましいと思う。
    頑張ってCAになって欲しいと思うな。

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